ももんじ通信

本と落語と時々博物館

紙のいのち

先日、駅の構内で、他人を中傷する文言を電車の中や駅の構内に貼ることは犯罪だと伝えるポスターが貼られていた。ふと、気になったのは、そのポスターが貼られたのがいつかということである。確かに、最近ステッカーなどで中傷がまかれるということは耳にしているため、最近掲示されたポスターであるとは推測できる。

しかし、この種のポスターは意識しないといつの間にか貼られている類いのものであるため、意外と息の長いポスターなのかもしれない。

こんなことを考えたのは、ポスターを見た途端に大学の学部生の時に何度も見かけたビラを思い出したためである。

私の出身大学は、いまだに学生運動が活発な大学で、すべての教室の教卓横には授業前後に主義主張を唱えるために教室を学生団体が占領することを禁止するビラが貼られていた。入学年度にはじめてそのビラを見たときに、その掲示年月日が5年以上前のものだったことに私は驚いたのだった。全く古びない紙だったため、全くそんな歳月を経た紙には見えなかった。そして、そのビラたちは現在でも同じ教室の中に見ることができる。

思えば、紙の寿命は途方もなく長い。私たち人間の寿命よりもよっぽど長いいのちを持っているから、私たちはいま昔のことを文献で読んで知ることができる。また、現在の生活を未来に伝えるために記すことができる(といっても近年はデジタルに食われ気味だけど)。

生活している上で、いつから貼られているのかまるでわからないポスターやビラはいくらでも見かけることがある。特に広告などは、機能しているかはよく分からないが、とにかく長い間貼られ続けているものも多くある。

いつ誰が発したかも分からないようなメッセージを、なんとなく受け取りながら生きているというのも、なんとなく面白いなと感じる。

 

「人を動かす」広告デザインの心理術33 ―人の無意識に影響を与える、イメージに秘められた説得力

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