ももんじ通信

本と落語と時々博物館

「祭りのあと」の本格ミステリ

 

その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

 

 ここ最近おぞましいミステリが読みたい欲が高まっていたで、読んでみました。珍しく、購入してから読むまでのスパンが短かった。

見返しの作者紹介が錚々たる書き振りだったので、読みたい欲が突き抜けた可能性つよいです。

第2作『その可能性はすでに考えた』(本書)が恩田陸氏、麻耶雄嵩氏、辻真先氏、評論家諸氏なら大絶賛を受ける。同作は2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれた他、『2016本格ミステリ・ベスト10』「ミステリが読みたい!2016年版」『このミステリーがすごい!2016年版』「週刊文春ミステリーベスト10 2016」「読者に勧める黄金の本格ミステリー」「キノベス!2016」にランクイン(後略)

典型的な「事件に居合わせた探偵が手がかりを見つけ出し、事件の犯人を言い当てる」本格ミステリの構図からは外れ、むしろ事件の蚊帳の外の探偵が犯人を言い当てる安楽椅子探偵の体を取っている。主観からの証言をもとに、事件で起こり得た「可能性」を登場人物同士が探り合う、頭脳バトル形式で事件の解釈が深まっていくのが新鮮でした。

ある種これまでとは「全く違う」本格ミステリと言えるのではないかと思います。

本格ミステリに度々求めてしまう厨二力も抜群で、オッドアイの道化ばりのド派手探偵とブラックチャイナ美少女コンビにはゾクゾク。必殺技の「憂思黙想(ブラウンスタディ)」とやらまで飛び出して、厨二欲も存分に満たされるお腹いっぱいな作品でした。