ももんじ通信

本と落語と時々博物館

「本当の「頑張らない育児」」が良い

ちまちま読んでたんだけど、やまもとりえさんの「本当の「頑張らない育児」」という漫画が良い。 最近耳にする「ワンオペ育児」の只中にある主婦が溜め込んで溜め込んで爆発する漫画。主人公に共感は性格上まるでできないんだけど、溜め込んじゃうタイプの人…

春風亭一之輔という男・『いちのすけのまくら』『春風亭一之輔の、いちのいちのいち』を読んで

春風亭一之輔師匠といえば、同世代の噺家さんの中では頭一つ飛び抜けた売れっ子で、落語好きなら必ず一度は聴いたことのある落語家である。 先日、落語会の開演待ちの客席で「一之輔の良さがわからん!」と豪語するおじさんを見たけれど、そんなおじさんさえ…

「どこにもない落語」を読む。

らも咄 作者: 中島らも 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1991/12 メディア: 単行本 クリック: 5回 この商品を含むブログ (44件) を見る 落語の本について文章を書くにあたって、当然落語家さんの書いた本を紹介するのがスジだろうと思った。けれどもあえ…

「祭りのあと」の本格ミステリ

その可能性はすでに考えた (講談社文庫) 作者: 井上真偽 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/02/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る ここ最近おぞましいミステリが読みたい欲が高まっていたで、読んでみました。珍しく、購入してから読…

ぼくのかんがえた“さいきょう”のコレクション

平山夢明氏との出会いは高校生のころ、「このミステリーがすごい!」受賞の帯に惹かれて買った『独白するユニバーサル横メルカトル』であった。 独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫) 作者: 平山夢明 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2009/01/08 …

幾千の夜を越えて

「あの夜」を乗り越えることは、できなかったのだろうか?彼をこよなく愛する彼による疑問の刺さる一冊。 悲しいことがあったとき、辛いことがあったとき、闇に押し潰されてしまいそうな、自分が小さく圧縮されていく、そんな夜が不意に訪れる。彼はそんな夜…

時間泥棒に時間を奪われないための100の方法

エンデによって『モモ』が書かれてからはや四十余年、世の中には当時よりずっとたくさんの時間泥棒が蔓延るようになりました。 「暇つぶし」の為の道具が溢れかえり、フルタイムの仕事に追われて、あれこれやったつもりになってるうちに気付けば年の瀬。 今…

叙述ミステリのパラドックスに立ち向かう。

この本も残すところ、あと数ページ、そんなに長い作品ではなかった。 連続殺人のミステリは途中顔を覆いたくなるような描写も少なくなかったが、読みにくい文章ではなくすっきりと入り込んできた。 ついに主人公たちが、犯人に的を絞り現場に踏み込むその瞬…

語り語られ、落語の可能性

先日、立川志の輔師匠の独演会に足を運んだ際に思いがけない新作落語を聞くこととなって感激した。 時は江戸時代、罪人が島送りにされる護送船・高瀬舟の中で同心である庄兵衛が弟を殺したという男、喜助が語り出す咎を聞く。 言わずもがな、森鴎外の『高瀬…